

楢崎皐月とカタカムナの歴史 第1回
2025年4月12日
12:30-14:00
武田崇元
パスワード:909
2025/04/12 武田先生講義①
2025/04/12 武田先生講義②
【要約:武田崇元先生 第1回講義 日本CIと水穂伝に関する議論】
本講義では、日本CI運動の背景や歴史、また山口志道による『水保伝』の構造と思想について深く掘り下げた議論が展開された。
冒頭では、日本CI(日本クリエイティブ・インテリジェンス)に関して過去の活動や関係者とのやりとりが述べられた。特に、「知らない世代」が増えるなかで、当時の価値観や言葉の扱いがどのように理解されにくくなっているかが話題となった。
後半は、水穂伝に関する本格的な講義となり、山口志道の思想が解説された。 彼は60歳を過ぎてから『水穂伝』を著し、その中で天地自然の水火の原理に基づく音声・言霊(ことだま)の構造を哲学的体系として提示した。
【重要な登場人物・思想の系譜】
荷田東麿 → 賀茂真淵 → 本居宣長 → 平田篤胤 → 山口志道 この流れの中で、平田篤胤は霊的世界の探求を進め、志道は「言霊学」という独自の自然哲学を展開。
【山口志道の言霊思想の核心】
「五十音」は単なる表音文字でなく、天地の原理(水火)を現す構造体であり、すべての音には“成る”という法則がある。
『水穂伝』では、あらゆる音・言葉・物の発生が「水火の働き」に由来することを、自然観・哲学・神道的視点から体系化。
漢文で書かれた序文の丁寧な解説では、「天地間の万物に“成らぬ”ものはなし」とし、音の不思議さ、妙用(仮に現れる働き)を五十音に仮託し、「字」が発生したという構造が述べられる。
【伊勢との関連・大地概念】
伊勢神宮に伝わる「太一」の儀礼と『水穂伝』の思想がリンクし、古代神道・神名・地理観とも一致。
太一=普遍の根源、天地と共に定まり、変わらぬ働きをするものとして捉えられる。
【文化的背景と受容】
山口志道の思想は、当時の公家社会においても一定の支持を受けていた。
彼の『水穂伝』は国学という枠を超え、自然哲学・霊学・宇 宙論としての意義を持つ。
明治以降、西洋近代思想が支配的となった中で一時忘れ去られたが、大正期の大本教などにより再注目された。
【最後に】 この講義を通じて、現代の私たちが日本語や言霊に触れる意味は、単なる言語学ではなく、「天地自然の根本原理と共鳴すること」にあることが再確認された。